第13回 ラプラス変換入門2 微分方程式への応用
§1 ラプラス逆変換
ラプラス変換の微分方程式の応用について述べる前に、まず、その前提になるラプラス逆変換の定義をあらためて提示し、ラプラス逆変換の簡単な問題を解くことにする。
関数f(t)のラプラス変換
であるとき、ラプラス逆変換は
で定義される。
例えば、
のラプラス変換は
したがって、
となる。
上では、積分することでラプラス変換を求めているけれど、この計算をすることなく、前回紹介したラプラス変換表を利用してもよい。
右の表を見れば
となることがすぐにわかる。
問 次のラプラス逆変換を求めよ。
【解】
(1) これは
を利用すればよい。
そして、n=3、a=−1とおくと
(2) まず
と部分分数に分解する。
そして、
ここでは、
という公式を使っている。
このばあい、a=−1、a=−2であることに注意!!
(3)
ここでは、a=1、ω=1として
を使っている。
(解答終了)
§2 ラプラス変換の微分方程式へ応用
y=f(t)を[0,∞)上の級とする。そして、この導関数y'=f'(t)のラプラス変換を考えることにする。
ラプラス変換は
だから、
右辺の広義積分を部分積分すれば、
そして、次の極限が
に収束するとき、導関数f'(t)のラプラス変換は次のようになる。
定理(導関数のラプラス変換)
[0,∞)上の級関数f(t)がある2つの定数a、M>0に対して
を満たすとき、s>aに対して
である。
【証明】
R>0とする。
条件より
よって、
(証明終了)
2次導関数f''(t)については、
以上の結果をまとめると、
問2 ラプラス変換を用いて、次の微分方程式を解け。
【解】
L(y)=Yとおくと、
だから、微分方程式の両辺をラプラス変換すると
s+2で両辺を割ると
ラプラス逆変換すると、
(解答終了)
なお、上の計算では、ラプラス変換表の
という公式を用いている。
もっとも、ラプラス変換表を見るまでもなく
と簡単に求めることができる。
ラプラス(逆)変換を用いれば、面倒な積分の計算をせずに、ラプラス変換表と代数的な演算で微分方程式の解を求めることができる。
問3 次の微分方程式の解を求めよ。
【解】
L(y)=Yとおくと
微分方程式の両辺をラプラス変換すると、
ラプラス逆変換すると、
(解答終了)
ラプラス変換を用いると、積分の計算をせずに、微分方程式を解けるという話でした。
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