2017年2月2日木曜日

第10回 ベータ関数、ガンマ関数の定積分の計算への応用2

第10回 ベータ関数、ガンマ関数の定積分の計算への応用2


三角関数の積分へのベータ関数の応用について述べることにする。
その前に、今回使う公式を示し、その証明を与える。

公式 (ベータ関数の三角関数による表現)
【証明】
ベータ関数
に、x=sin²θとして、置換積分を施す。
このとき、x=0にはθ=0x=1にはθ=π/2が対応し、
したがって、
(証明終了)


問1 次の積分の値を求めよ。
【考え方と解】
(1)は2p−1=32q−1=0、つまり、p=2q=1/2、(2)は2p−1=42q−1=0、つまり、p=5/2q=1/2と考えればよい。
そうすると、(1)と(2)は、ベータ関数を使って次のように積分の値を求めることができる。

(解答終了)

上の計算では、ベータ関数とガンマ関数の重要な次の関係
と、ガンマ関数の以下の性質
を使っている。

同様に、
と、定積分の値を求めることができる。


問2 次の値を求めよ。
【解】
(1) 2p−1=52q−1=3を解くと、p=3q=2
したがって、

(2) 2p−1=42q−1=2を解くと、p=5/2q=3/2だから
で、
よって、
(解答終了)

このように、ベータ関数とガンマ関数を用いると、三角関数の定積分の値を求めることができるという話でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿