2017年2月17日金曜日

錯角、同位角の等しい2直線は平行であることの証明

錯角、同位角の等しい2直線は平行であることの証明


中学校で習った
定理
異なる2直線lmに直線nが交わってできる1組の錯角をαβとするとき、
である
を証明することにする。
なお、記号は直線lmが平行であることを示す。

いきなりこの定理は証明できないので、この定理の証明に使用する第2外角定理をまず証明する。
 

第2外角定理
ABCにおいてα>βである。


【証明】
ACの中点をDとし、BDの延長上にBD=DEとなる点をとる。
条件より、
AD=DC
BD=DE
また、
ADE=∠CDB(対頂角相等)
したがって、
ADE≡△CDB(二辺挟角)
したがって、
β=γ  ①
線分AEは線分ACと線分AFの間にあるので
γ<∠ACF=α  ②
①と②より
α>β
(証明終)

CBA=δとおくとき、同様に、α>δも成立する。
だから、上の定理は、外角はその内対角よりも大きいと言い換えることができる。

定理A
異なる2直線lmに直線nが交わってできる1組の錯角をαβとするとき、
である

上の定理の証明には背理法を使う。
【証明】
α=βで、直線lと直線mが平行でないとする。
直線lと直線mは平行でないから、直線lと直線mは交わる(平行の定義)。
この交点をCとする。
ABCを考えると、第2外角定理よりα>βとなりα=βという仮定と反する。
よって、
である。
(証明終)

そして、上の定理と対頂角相等から次の系が証明される。

異なる2直線lmに直線nが交わってできる1組の同位角をαγとするとき、
である。
【略証】
仮定よりα=γ
対頂角相等よりγ=β
よって、α=β
したがって
(略証終)

ここまでは、有名な平行線の公理、すなわち、

平行線の公理
直線外の1点を通り、その直線に平行な直線は1つであって、ただ1つに限る。

を必ずしも必要としない!!
つまり、
直線外の1点を通り、その直線に平行な直線が2本引けようが、3本引けようが、もっと多く引けようが、上の定理とその系は成り立つはずなんだにゃ。
ただし、上の定理とその系の逆、つまり、

定理
平行な2直線lmが他の直線nに交わるとき、1組の錯角(または同位角)は等しい。

の証明には平行線公理が必要になる。

定理B
平行な2直線lmが他の直線nに交わるとき、1組の錯角(または同位角)は等しい。
【証明】
直線lと直線mが平行で錯角α≠βとする。
α>βであるとする。
XAB=αの内部に∠YAB=βとなる角をとり、点AYを結ぶ直線l’を引く。
YAB=βだから、定理Aより直線l'は直線mと平行である。
しかし、
平行線の公理より、点Aを通り直線mに平行な直線は1つであるのに、直線lと直線l’の2本あることになり平行線の公理に反する。
α<βの時も同様。
したがって、α=βである。
(証明終)

直線lと直線mは平行に見えないかもしれないが(^^



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