2017年2月25日土曜日

第4回 平行四辺形の性質

第4回 平行四辺形の性質


平行四辺形の定義
平行四辺形とは、2組の対辺がそれぞれ平行である四角形である。

定理11 平行四辺形になる条件
(1) 2組の対辺がそれぞれ平行(定義)
(2) 2組の対辺がそれぞれ等しい
(3) 2組の対角がそれぞれ等しい
(4) 1組の対辺が平行でかつ長さが等しい
(5) 対角線が互いに他を2等分する
【証明】
(1)⇒(2)
ABDと△CDBに注目。
ABDCは平行なので、∠ABD=∠CDB(錯角相等)。
ADBC平行なので、∠BDA=∠BDC(錯角相等)。
BDは共通。
よって、一辺の長さと両端の角相等より△ABD≡△DCB
したがって、AB=CDAD=BC

(2)⇒(3)
ABCと△CDAに注目。
ABCD
BCDA
BDは共通。
三辺相等より△ABC≡△CDA
よって、∠ABC=∠CDA
同様に、△ABD≡△CDB
よって、∠DAB=∠BCD

(3)⇒(4)
四角形の内角の和が4直角、360°であるから、
条件より、
2(∠A+∠B)=360°
よって、∠A+∠B=180°
2点ABを通る直線を引くと、∠A+∠DAX=180°
よって、∠B=∠DAXとなり、同位角が等しいので、
ADBCは平行 ①
ABDと△CDBに注目。
ADBCは平行なので、
ABD=∠CBD (錯角)
また、∠A=∠Cなので
BDA=∠DBC
BDは共通なので、
ABD≡△CBD
よって、
AD=BC ②
①と②より、ADBCは平行でかつAD=BC

(4)⇒(5)
ADBCは平行でかつ長さが同じと仮定する。
ADBCは平行なので、∠DAC=∠BCE、∠EDA=∠EBC
また、DABD
よって
AED≡△CEB
ゆえに、AEECBEED
よって、対角線を互いに他を2等分する。

(5)⇒(1)
対角線の交点をEとする。
条件よりAE=ECBE=EC
また、∠BEA=∠DEC
よって、△BEA≡△DEC
したがって、
ABE=∠CDE
∴ ABDCは平行
同様に、△EDA≡△EBC
DEA=∠BCE
∴ ADBCは平行
(証明終わり)

このことから、(1)〜(5)は同値の命題であることがわかり、どれを平行四辺形の定義に使ってもいいことになる。

四角形の内角の和が4直角、360°であることは、四角形ABCDに対して対角線ACを引けば、四角形ABCDが△ABCと△CDAに分割されることから、ほとんど、明らかでしょう。

問題1
平行四辺形ABCDで、辺ADBCの中点をそれぞれEFとし、AFCEを結ぶとき、平行四辺形AFCEは平行四辺形であることを証明せよ。

【証明】
ADBCは平行。よって、AEFCは平行。
平行四辺形なので、AD=BC
EADの中点、FBCの中点だから、
AEFCは平行で、かつ、AE=FCなので、定理8の(4)より
四角形AFCEは平行四辺形である。
(証明終わり)

これは、あくまで、証明の一例にすぎない。次のような証明法もあるし、他にもある。

ADBCは平行なので、∠FEA=∠EFC(錯角)。
条件よりAE=FCFEは共通。
よって、2辺挟角相等より
AFE≡△CEF
したがって、∠AFE=∠CEF
よって、
AFECは平行。
2組の対辺がそれぞれ平行なので、四角形AFCEは平行四辺形である。

問題2 図のように、△ABCの辺AB上の点PからACに平行に引いた直線と、∠BACの二等分線との交点をQとする。また、PからQCに引いた直線と辺ACとの交点をRとする。
このとき、AP=RCであることを証明せよ。

【証明】
PQACは平行なので、
CAQ=∠PQA (錯角)
また、∠BACの二等分線なので
QAP=∠CAQ=∠PQA
よって、△PQAPを頂点とする二等辺三角形。
したがって、
AP=PQ
四角形PQCRは平行四辺形なので
RC=PQ=AP
(証明終わり)


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